まず、最初に考えるのは、自分の商売で使う名前や図柄(ロゴ)が、他人の権利を侵害しているために使えなくなることを回避することです。一番確実な方法は、自分が使っている名前や図柄(ロゴ)を、自分の商売の商標として登録しておくことです。

 

この場合、商品やサービスの名前は、あまり広くする必要はありません。ですから、最も権利を取りやすい戦略です。多くの安売り特許事務所、ネットで受注する非対面型の事務所のほとんどは、この戦略に沿ってサービスを提供しています。また、あなたが「権利だけでも取りたくて」と言った時点で99%の弁理士は「守りの商標」であると判断します。

 

例えば、商標Aをサービス「セミナーの企画・開催」で商標権を取ろうとする場合(1)と、サービス「営業心理のセミナーの企画・開催」で商標権を取ろうとする場合(2)とで考えてみてください。

 

どちらが広い権利なのか。そうですよね。「営業心理」という限定のない(1)の方が広い権利です。でも、実際にセミナーで話しているのが「営業心理」なら、狭い(2)で権利が取れれば、他人の権利によって侵害であるとされることはありません。つまり、狭い範囲の権利であっても十分効果があるということです。

 

さらに言うと、自分が使用していない商標は、相手から取り消されてしまうリスクが常にあります。この場合、実際に「営業心理」のセミナーをしているなら、その部分は取り消されませんが、他のテーマのセミナーについては取り消されてしまいます。つまり、自分が使用しないものに権利を取得していても、取り消しリスクと隣り合わせという感覚が正しい感覚です。

 

 ここは次の「攻めの商標」と大きく違う点です!

 

 

      

                                         <前    次>